微量・高感度プロテオーム解析 | Olink®
微量・高感度プロテオーム解析
Olink®
Olink®プロテオーム(プロテオミクス)解析とは
Olink®は核酸標識した抗体を使用して、血液や培養上清などの微量サンプルで多数のタンパク質を同時計測するプロテオーム(プロテオミクス)解析プラットフォームです。2種類の抗体が近接して同じタンパク質に結合した時のみにオリゴヌクレオチド増幅が起こる、Proximity Extension Assay(PEA法)により、特異性が高く、高感度で多項目かつハイスループットなプロテオーム解析が可能です。質量分析(LC-MS/MS)では解析が困難であった、高濃度の夾雑タンパク質を含むサンプル中の微量タンパク質も特異的に検出できることから、血漿・血清サンプル中のサイトカインなどの解析には最適な手法です。
血漿成分や分泌タンパク質の他、炎症性タンパク質/サイトカイン、臓器からの漏出タンパク質を準網羅的に計測することにより、全身性免疫応答や組織障害を解析可能です。解析対象組織の発現情報しか取得されないRNA-seq解析と異なり、解析対象とするべき組織や細胞が分からない状態でも、全身性の変化を解析した結果から応答した組織を推定可能です。
微量サンプル対応の高感度プロテオーム解析サービスを開始しました。
用途
- 微量な血漿、血清、培養上清等の高感度プロテオーム解析(最大3,072種類同時検出)
- 組織特異的マーカーによる臓器からの漏出タンパク質の準網羅的解析
- 群間における血中タンパク質の発現比較(発現変動タンパク質の検出)
- 発現変動タンパク質(DEP)の機能解析(GO解析、GSEA、パスウェイ解析など)
※関連する解析サービス
バルクRNA-seq解析 >
シングルセルRNA-seq解析 >
ホルマリン固定後のシングルセルトランスクリプトーム解析 >
高感度なシングルセル完全長total RNA-seq解析 >
シングルセルレパトア解析+シングルセルRNA-seq解析 >
シングルセル空間トランスクリプトーム解析 >
スポット型空間トランスクリプトーム解析 >
このような方に
- 特定組織の変化だけではなく、全身性の応答を解析したい方
- 患者様に負担をかけずに検体を採取して全身性の応答を解析したい方
- 既知の組織の変化では応答の全てを説明できず、未知の組織での変化を探索したい方
- 参考論文と同じような解析を自身のサンプルで実施したい方
- 自身の研究目的に最適な実験デザインの検討から始めたい方
- 共同研究先の対応スピードや一方向的な情報科学的解析手法にお悩みの方
- 最適なデータ解析手法や適切な統計手法の選択と実施に不安がある方
- 論文や公共データベースで公開されているデータを用いた解析をご希望の方
当社の特徴
- 共同研究タイプの受託解析サービス(定型的や簡易的な受託解析ではありません) >
- 研究目的を踏まえ論文化を志向した高品質な解析サービス
- ウェット実験とデータ解析の両分野の経験豊富な専門技術者が直接対応
- 生物学的意義を踏まえたデータ解析サービス >
- 解析結果の統計学的および生物学的解釈のサポート
解析例1 血漿プロテオーム解析による若年性皮膚筋炎病態変化の検出
若年性皮膚筋炎(JDM)は、筋力低下、皮疹、血管障害を特徴とする自己免疫疾患の一種です。筋障害のマーカーである筋クレアチンキナーゼ(MCK)および乳酸脱水素酵素(LDH)、インターフェロン関連マーカーなどが血中で高値を示す場合があることは知られていますが、JDMの病態全てを説明してはいません。治療開始時と治療6ヶ月後にJDM患者血漿中のタンパク質を健常者と比較し、治療6ヶ月後に消失する特徴と、6ヶ月後まで残存する特徴を同定しました。
実験デザインイメージ図
実験デザインイメージ図
健常者(n=8)、治療開始時のJDM患者(n=54)、および治療6ヶ月後のJDM患者(n=24)に由来する血漿中のタンパク質を解析しました。健常者と比較して、JDM患者の治療開始時および治療6ヶ月後に特徴的に増加していた血漿中タンパク質を同定し、それぞれの時期の特徴を明らかにしました。
JDM患者血漿中の発現変動タンパク質(DEP)リスト(抜粋)
JDM患者血漿中の発現変動タンパク質(DEP)リスト(抜粋)
| OID | : | Olink ID, 抗体の標的毎に割り振られたID |
| gene symbol | : | 抗体の標的タンパク質の遺伝子名 |
| log2FC | : | 対照群に対する実験群の平均発現変動比のlog2表示 |
| avg_exp | : | 実験群の相対発現量の平均値 |
| p_pal | : | 有意確率 |
| adjusted p value | : | 補正した有意確率 |
JDM患者の治療開始時および治療6ヶ月後の検体を、それぞれ健常者由来検体と比較して有意に高値だった発現変動タンパク質(Differentially Expressed Proteins : DEPs)のリスト(抜粋)を示します。
JDM患者血漿中の発現変動タンパク質の可視化(Volcano plot)
JDM患者血漿中の発現変動タンパク質の可視化(Volcano plot)
JDM患者検体で有意な変化が見られたタンパク質をボルケーノプロットで表示しました。各点はタンパク質を表しています。発現変動比と調整済みp値によって分類し色分け表示しました。縦軸は調整済みp値を-log10、横軸は発現変動比をlog2で示しています。発現変動タンパク質の多くは増加側に見られました。
JDM患者血漿中の発現変動タンパク質の可視化(Heatmap)
JDM患者血漿中の発現変動タンパク質の可視化(Heatmap)
各検体における発現変動タンパク質の発現量をヒートマップで一覧表示しました。図の縦軸はタンパク質、横軸は検体を表します。タンパク質は、治療開始時および治療6ヶ月後の発現変動タンパク質を全てプロットしました。検体上部のカラーバーは、それぞれ健常者(青)、治療開始時(赤)、治療6ヶ月後(黄)の検体を示します。各検体の発現量を標準化し、発現量が多いタンパク質を赤色、少ないタンパク質を青色、中間を白色で表示しました。検体は、全健常者と治療6ヶ月後由来検体の約半数を含む集団(図右)、主に治療開始時の検体からなる集団(図中央)、および治療6ヶ月後検体の約半数と一部の治療開始時検体の集団(図左)が存在しました。発現変動タンパク質については、治療開始時には発現増加が見られた(上段中央)が治療6ヵ月後には減少したタンパク質群(上段黄検体)と、治療6ヶ月後も発現上昇が継続したタンパク質群(下段黄検体)が存在しました。
治療開始時と6ヶ月後における発現変動タンパク質のパスウェイ解析結果
治療開始時と6ヶ月後における発現変動タンパク質のパスウェイ解析結果(Dot Plot)
治療開始時と治療6ヶ月後の発現変動タンパク質におけるパスウェイ解析結果をドットプロットで示しました。それぞれの群で有意に濃縮が見られたパスウェイの内、共通なパスウェイ、いずれかの群でのみ有意な濃縮が見られたパスウェイを統計的信頼性の高い順にそれぞれ10選択してプロットしました。横紋筋や線溶系に関連するパスウェイは治療6ヶ月後には濃縮が見られなくなり、筋肉や血管系の状態改善が示唆された一方、インターロイキンや好中球に関連するパスウェイに依然として有意な濃縮が見られ、治療抵抗性を有する経路が依然として残存する事が示唆されました。
サービス概要
予め解析方法や条件が決まっている定型的な解析サービスではありません。研究目的に合わせて実験・解析デザインを立案し、最適化した手法・条件で各工程の解析作業を実施します。研究計画の立案を始め、解析結果の解釈、今後の解析方針のご提案、論文化まで、お客様のご要望に応じて伴走支援します。ウェット実験とデータ解析の経験豊富な専門技術者と、打ち合わせを重ねながら解析を進めることができるため、よりご希望に合致した結果の取得、より深い結果の解釈に繋がります。
サービス内容
- 事前打ち合わせ
- 実験デザイン策定、細胞調製サポート
- ウェット実験、データ解析(※解析フローはこちら >)
- 中間打ち合わせ
- 最終打ち合わせ(納品説明、結果解釈、今後の方針)
- 各種コンサルティング(論文化サポート、リバイス対応、解析方針や今後の研究計画のご提案等)
参考価格 / 納期
ご要望により異なりますのでお問い合わせ下さい。
解析フロー
血清・血漿・培養上清
核酸標識抗体結合
標識配列の増幅
シーケンシング
タンパク質発現データ
データクリーニング
クラスタリング
発現変動タンパク質抽出
高次解析
解析結果

受入物
| ① 血清・血漿・培養上清等から解析 | ② タンパク質発現データから解析 | |
|---|---|---|
| 受入物 |
|
|
| 生物種 |
|
|
| 受入条件 |
|
|
| その他 |
|
以下の情報をお知らせください
|
タンパク質解析パネル
| Olink Reveal | Olink Explore | |
|---|---|---|
| 生物種 |
|
|
| 検体数 |
|
|
| 測定項目数 |
|
|
| 主要関連分野 |
|
|
| 検出法 |
|
|
※1プレート単位での受入となります。現在、相乗りサービスのご提供はありません。
※主要関連分野の欄の()内はタンパク質の測定項目数を示します。
※遺伝子パネル名はOlink Proteomics社の商品名または登録商標です。
納品物
① 血清・血漿・培養上清から解析
- 解析結果報告書
- タンパク質発現データ(NPX形式)
- タンパク質発現量リスト(Excel形式)
- 発現変動タンパク質リスト(Excel形式)
- 各種可視化データ
- 各種高次解析結果など
② タンパク質発現データから解析
- 解析結果報告書
- タンパク質発現量リスト(Excel形式)
- 発現変動タンパク質リスト(Excel形式)
- 各種可視化データ
- 各種高次解析結果など
※実際の納品物はご依頼内容により変わります。
御見積の流れ
- 下記の項目をご連絡下さい。
研究目的(概要) / タンパク質解析パネルの種類 / 検体の種類(血清など) / 検体数 / 希望納期 - 弊社からお送りする「お問い合わせフォーム」にご要望の詳細をご記入下さい。
- 3営業日以内に御見積価格(概算)をご連絡致します。
お問い合わせ / 御見積依頼方法
こちらよりお問い合わせください >
専門技術者が原則24時間以内にご連絡します。(土日祝日は除く)
御見積依頼の場合
ご依頼内容により御見積価格は異なります。御見積をご希望の場合は「お問い合わせフォーム」をお送りします。
実験や解析に関するご相談の場合
ウェブ相談は30分無料です。事前に「お問い合わせフォーム」に必要事項をご記入下さい。
よくあるご質問(FAQ)
- 研究目的やサンプルに合わせて実験デザインや解析方針を策定し、ウェット実験とデータ解析の経験豊富な専門技術者と打ち合わせを重ねながら、解析作業を進める双方向型の解析サービスです。目的に合わせて最適化した解析作業の実施はもちろん、細胞調製のサポート、結果の解釈、論文化の支援、次の解析の提案まで伴走支援します。プロテオーム解析が初めての方は、安心して解析を始めることができ失敗リスクの低減にも繋がります。解析経験者は、これまでの解析結果や課題を踏まえ、より適切な解析手法の選定や再解析の検討、論文化に向けたデータの深掘り、不足データの追加取得まで効率的に進めることができます。
- 血清、血漿、培養上清、脳脊髄液(CSF: cerebral spinal fluid)などからの解析が可能です。その他種類については別途ご相談下さい。
- 事前にご連絡頂いた上で、凍結サンプルをドライアイス同梱で弊社関東本社(千葉県柏市)までお送り下さい。詳細は別途ご案内致します。
ご注意事項
- 受入物を品質検査した結果、解析をお引き受けできない場合があります。
- データ解析トレーニングは行っていません。
参考文献
Neely, J. et al. “Discovery of tissue-specific proteomic signatures in juvenile dermatomyositis highlights pathways reflecting persistent disease activity, clinical heterogeneity, and myositis-specific autoantibody subtype.” Annals of the Rheumatic Diseases 84, 1836–1851, 2025. doi: 10.1016/j.ard.2025.07.020.
* Olink®はOlink Proteomics社の登録商標です。
