InTraSeqTM|MultiPro®|シングルセルマルチオーム受託解析
InTraSeqTM|MultiPro®を用いたシングルセルマルチオーム解析とは
InTraSeqまたはMultiProを用いたシングルセルマルチオーム解析は、1細胞ごとに遺伝子発現とタンパク質発現を同時に測定し、細胞表面・細胞内タンパク質の発現やリン酸化などの状態を解析する手法です。
シングルセル遺伝子発現Flexによる遺伝子発現解析と、CITE-seqの原理を用いたDNAバーコード標識抗体カクテル(InTraSeq / MultiPro)によるタンパク質解析を組み合わせることで、同一細胞でトランスクリプトームとタンパク質情報を統合して評価できます。これにより、遺伝子発現だけでは捉えにくいタンパク質の発現や活性化状態、細胞内シグナル伝達の変化を解析でき、刺激応答の異なる細胞集団や細胞サブタイプ間の機能的な違いを明らかにできる可能性があります。
解析法の特徴
- 遺伝子発現情報だけではなく、タンパク質発現情報も同じ細胞から取得できる
- 遺伝子発現だけでは捉えにくい、刺激に伴う細胞内シグナル伝達の変化を検出できる
- 特定のタンパク質のリン酸化状態を細胞ごとに評価できる
このような目的にご使用頂けます
- サイトカイン刺激に応答してリン酸化が亢進する一部の細胞の発現プロファイルを解析したい
- 増殖刺激に応答してリン酸化が亢進する細胞と亢進しない細胞の発現プロファイルを比較したい
- ストレスに応答してタンパク質分解が起こる一部の細胞の遺伝子発現変化を解析したい
- 不均一な細胞集団を、遺伝子発現プロファイルとタンパク質発現量の両面から同時に評価したい
- 分化の過程で一過性に標的タンパク質が分解される細胞について、発現プロファイルを解析したい
このようなご相談に対応しています
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目的のシグナル伝達経路を解析できるか分からない
対象のシグナル伝達経路やタンパク質を確認し、解析可否や抗体カクテルについてご相談頂けます
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参考論文と同様の解析が自分の研究でも可能か分からない
論文の実験条件や解析内容を確認した上で、計画中の研究の実施可能性をご相談頂けます
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どのように細胞調製し、どのような実験条件にすればよいか分からない
研究目的を踏まえて、細胞調製や実験条件、取得するデータについてご相談頂けます
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データ解析手法の選択や統計解析に不安がある
研究目的や実験デザインに応じた解析方法についてご相談頂けます
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論文や公共データベースで公開済みのデータで希望の解析ができるか分からない
公開済みのデータを用いた解析の可能性についてご相談頂けます
当社受託サービスの特徴
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共同研究タイプの伴走型支援
研究目的を踏まえて、実験条件や解析方針を検討しながら作業を進めます
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分野や解析内容に合わせた専門チーム編成
研究分野や解析内容に応じて、適切な専門技術者が対応します
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ウェット実験とデータ解析の両方に精通した技術者が対応
細胞調製や実験条件からデータ解析まで一連の工程を理解し、実験条件がデータ解析結果に与える影響まで踏まえて対応します
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研究対象の病態を踏まえた実験計画・データ解析と結果解釈
希少疾患を含む疾患や病態に関する背景を踏まえて実験デザインや解析方法を検討し、病態との関連を考慮した結果解釈をご支援します。
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実験計画から論文化まで一貫した支援
実験計画や細胞調製のサポート、解析方法の検討、結果解釈、追加解析や今後の解析方針のご提案、論文化までご支援します
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研究目的に応じた抗体カクテルのご提案
対象とするシグナル伝達経路やタンパク質を踏まえて、InTraSeqTM、MultiPro®について最適な抗体カクテルをご提案します
ご相談対応事例
※一般的なシングルセル解析のご相談に対する弊社の対応例についてご覧頂けます。
PBMCにおけるRNAおよびタンパク質発現量の違いと刺激応答の比較
細胞内のRNAとタンパク質は発現量が必ずしも一致せず、刺激に対する変化も異なることが知られています。免疫系細胞にインターフェロン産生亢進などの応答を誘導するPMAとイオノマイシンによる刺激をヒト末梢血単核細胞(PBMC)に加え、RNAおよびタンパク質の発現変化を解析しました。刺激なしのヒトPBMC(対照群)と刺激したヒトPBMC(刺激群)について、RNA発現データ(10x Flex)と、タンパク質発現データ(MultiPro)を比較し、刺激により特徴的な発現変化を示すRNAおよびタンパク質を抽出しました。
細胞のクラスタリング結果(対照群 13,897 cells、刺激群 14,764 cells)
細胞のクラスタリング結果(対照群 13,897 cells、刺激群 14,764 cells)
対照群と刺激群より取得された発現データを、群間の誤差(batch effect)を低減させながら統合し、発現プロファイルの類似度により細胞をクラスタリングした結果をUMAPにより可視化しました。左図では、全細胞をクラスタごとに色分けし、推定した細胞タイプを示しました。各クラスタ中央の数字はクラスタ番号を示します。右図は細胞を群ごとに色分けして図示しました。CD4: CD4(+) T cell, CD8: CD8(+) T cell, NK: Natural Killer cell, Mono: Monocyte, DC: Dendritic cell, Treg: regulatory T cell, Tgd: gamma-delta T cell, MegK: Megakaryocyte, P: Platelet.
全細胞のRNAおよびタンパク質の発現分布(Feature plot)
全細胞のRNAおよびタンパク質の発現分布(Feature plot)
RNA(左)とタンパク質(右)の発現分布をFeature plotで図示しました。IL1B(上段)のRNAとタンパク質の発現分布はよく一致していました。一方、樹状細胞(DC)に特徴的な表面抗原として知られるCD83は、 RNAの発現はDCのみに特徴的ではありませんでしたが、タンパク質はDCに特徴的な発現が見られました(黒丸内)。CD83タンパク質は活発に合成・代謝されることが知られている一方、DCではその代謝速度が遅いことが示唆されています。こうした細胞タイプ間のタンパク質代謝速度の違いが、RNA発現量とタンパク質発現量の乖離に繋がっている可能性があります。
刺激の有無によるIFNGのRNAおよびタンパク質の発現変化(Feature plot)
刺激の有無によるIFNGのRNAおよびタンパク質の発現変化(Feature plot)
IFNGのRNA(左列)とタンパク質(右列)の発現分布を、対照群(上段)と刺激群(下段)に分けて図示しました。対照群ではRNAの発現は全体的に低レベルなのに対して、タンパク質は多くの細胞タイプで発現が見られました。刺激群ではRNA発現量の顕著な増加がNK細胞(黒丸内)とT細胞(赤丸内)を中心に見られましたが、タンパク質の発現量増加は一部のT細胞(赤丸内)に限定されていました。タンパク質の合成・代謝の他、分泌などの要因が関係する可能性があります。
刺激の有無によるIFNGのRNAおよびタンパク質の発現変化(Violin plot)
刺激の有無によるIFNGのRNAおよびタンパク質の発現変化(Violin plot)
RNA(上段)とタンパク質(下段)の発現レベルをバイオリンプロットで図示しました。縦軸は発現量、横軸はクラスタ番号を示し、クラスタごとに対照群と刺激群を並べて図示しています。RNAの発現量は刺激群のNK細胞(黒枠内)とT細胞(赤枠内)を中心に増加が見られました。タンパク質の発現量は、対照群でも多様な細胞タイプに発現が見られ、刺激による顕著な発現増加は一部のT細胞(赤枠内)などに限られていました。
RNA発現量とタンパク質発現量の相関の程度は遺伝子ごとに異なるだけではなく、細胞タイプによっても異なっていました。また、刺激に伴う発現量の変化についても、遺伝子や細胞タイプによって異なる傾向が認められました。さらに、タンパク質は発現量の変化に加えて、リン酸化などの翻訳後修飾によって機能調節を受ける場合があります。網羅的なRNA発現情報と、目的の細胞機能に関連するタンパク質の発現量や翻訳後修飾などの情報を同時に取得することにより、トランスクリプトーム解析のみでは捉えにくい細胞状態や刺激に対する応答をより詳細に解析することが可能になります。
お問い合わせから納品までの流れ
- ヒアリング
- 概算御見積価格のご案内
- 事前打ち合わせ、実験デザイン策定
- 細胞調製サポート(抗体カクテル等の準備含む)
- 検体受入検査
- ウェット実験、データ解析(※解析フローはこちら >)
- 中間打ち合わせ
- 納品および解析結果打ち合わせ(納品説明、結果解釈、今後の方針)
- 各種コンサルティング(論文化サポート、リバイス対応、解析方針や今後の研究計画のご提案等)
解析フロー
ハイブリダイゼーション
ライブラリ調製
シーケンシング
シーケンスデータ 発現量推定・正規化
クラスタリング
発現変動遺伝子抽出
細胞タイプ推定
各種高次解析 解析結果
ウェット実験内容
- 特徴 : 研究目的やサンプルに合わせて最適な手法、抗体カクテル、条件を決定します
- 解析機器 : 10x Genomics社 Chromiumシステム
- 計測項目 : 遺伝子発現、細胞表面・細胞内タンパク質、タンパク質リン酸化
- 解析対象細胞数: 数百細胞~12.8万細胞
- 検出遺伝子数 : ヒト1.8万遺伝子、マウス1.9万遺伝子以上
- 検出抗原数 : 抗体カクテルの詳細はこちら >
※TCR、Ig J及びV領域、リボソームタンパク質、HLA、KIR、lncRNA等の遺伝子は検出不可
抗体カクテルの種類
| InTraSeqTM F' | MultiPro® | |
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| 生物種 |
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| 検出抗原数 |
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| 測定対象 |
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| 抗体リスト情報 |
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※Isotype controlとは、抗体由来の非特異的結合を評価するためのnegative controlです。
データ解析項目
特徴
データクリーニング・各種補正を始め、各解析は研究目的に合わせて条件検討を行い、最適条件で実施した結果を納品しています。定型的な解析作業とは全く異なるサービスですので、ご確認の上ご依頼下さい。
1次解析
(データクリーニング・補正)
細胞ダブレット除去 / 死細胞除去 / 環境RNA除去 / バッチエフェクト補正 / 細胞周期関連遺伝子補正 / 目的対象外発現情報の混入補正
(本解析)
細胞のクラスタリング / 細胞タイプ推定(細胞アノテーション) / タンパク質発現量による細胞分類 / 群間発現比較解析(DEG抽出) / GO解析 / GSEA / パスウェイ解析
高次解析
擬似時間解析(Pseudotime) / 分化経路推定・擬似系譜解析(Trajetory) / 細胞動態推定(RNA velocity) / 細胞間相互作用解析 / 転写因子活性予測 / 遺伝子制御ネットワーク解析(GRN) / Signature scoring / ※その他、様々な解析法に対応
各種データ可視化
Feature plot / Violin plot / Dot plot / Heatmap / Volcano plot / Venn diagram(ベン図)
※論文で使用されている様々なグラフやプロットなどにも対応可
細胞調製の概要
(*) 専用キットによる調製作業が必要です。
受入物
| ① 固定細胞(抗体反応済)懸濁液から解析 | ② シーケンスデータから解析 | |
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| 受入物 |
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| 生物種 |
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| 受入条件 |
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※上記により取得したシーケンスデータ
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| その他 |
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以下の情報をお知らせください
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納品物
① 固定細胞(抗体反応済)懸濁液から解析
- 解析報告書
- シーケンスデータ
- 細胞クラスタリング画像データ
- 各クラスタの細胞数データ
- 各種遺伝子の発現データ(発現量、発現分布)
- 各種蛋白質の発現データ(発現量、発現分布)
- 各種遺伝子リスト
- 各種高次解析結果など
② シーケンスデータから解析
- 解析報告書
- 細胞クラスタリング画像データ
- 各クラスタの細胞数データ
- 各種遺伝子の発現データ(発現量、発現分布)
- 各種蛋白質の発現データ(発現量、発現分布)
- 各種遺伝子リスト
- 各種高次解析結果など
※実際の納品物はご依頼内容により異なります。
よくあるご質問(FAQ)
- 研究目的やサンプルに合わせて実験デザインや解析方針を策定し、ウェット実験とデータ解析の経験豊富な専門技術者と打ち合わせを重ねながら、解析作業を進める双方向型の解析サービスです。目的に合わせて最適化した実験や解析作業の実施はもちろん、細胞調製のサポート、結果の解釈、論文化の支援、次の解析の提案まで伴走支援します。シングルセル解析が初めての方は、安心して解析を始めることができ失敗リスクの低減にも繋がります。解析経験者は、これまでの解析結果や課題を踏まえ、より適切な解析手法の選定や再解析の検討、論文化に向けたデータの深掘り、不足データの追加取得まで効率的に進めることができます。
- 実験デザインや解析方針を決定するため、(守秘義務は厳守していますので)医学的、生物学的な視点で研究の背景や目的を共有して下さい。専門分野の異なる医学生物学研究者に説明する場合と同程度の内容でご説明頂けると、スムーズに情報を共有できます。特に、免疫学、発生学、細胞生物学、分子生物学、生理学、形態学分野等に関しては特段のご配慮は不要です。お客様との打ち合わせ後に社内で検討し、解析目的の達成に最適なプランのご提案と御見積価格をご連絡します。また、共有頂いた内容は細胞調製サポート、ウェット実験、データ解析作業の最適化にも活かされます。
- こちらより抗体リストをご確認頂けます。研究対象のシグナル伝達経路やタンパク質をお知らせ頂ければ、InTraSeq / MultiProのどちらが適しているかご提案します。
- 同一細胞から遺伝子発現とタンパク質発現を取得できるため、RNA-seqのみでは捉えにくい細胞状態や刺激応答を解析できます。特にタンパク質発現やリン酸化を用いた細胞分類や比較解析に適しています。
- 研究目的や測定したいタンパク質によって異なります。一般的には、特定のシグナル伝達やリン酸化状態を重視する場合はInTraSeqを、より多くの細胞表面・細胞内タンパク質を評価する場合はMultiProを選ぶことが多いです。具体的には、研究目的を伺った上で最適な抗体カクテルをご提案します。
- 効率化したのは解析工程の一部であり、解析条件の最終確認は従来通り専門技術者(人)により実施しています。研究目的に対する結果の妥当性、品質確認、納品判断は従来と同じ基準です。解析精度については従来よりも向上しています。
御見積の流れ
- 下記の項目をご連絡下さい。
研究目的(概要) / 解析法 / 検体の種類(由来組織) / 検体数 / 希望納期 - 弊社からお送りする「お問い合わせフォーム」にご要望の詳細をご記入下さい。
- 2営業日以内に御見積価格(概算)をご連絡致します。
お問い合わせ / 御見積依頼方法
こちらよりお問い合わせください >
専門技術者が原則24時間以内にご連絡します。(土日祝日は除く)
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御見積依頼の場合
ご依頼内容により御見積価格は異なります。御見積をご希望の場合は「お問い合わせフォーム」をお送りします。
実験や解析に関するご相談の場合
ウェブ相談は30分無料です。事前に「お問い合わせフォーム」に必要事項をご記入下さい。
ご注意事項
- 受入物を品質検査した結果、解析をお引き受けできない場合があります。
- データ解析トレーニングは行っていません。
参考文献
Bhalgat, A. et al. "CIPHER-seq enables intracellular multimodal profiling of cytokine responses in single immune cells." Sci Rep 16, 9693. (2026). doi.org/10.1038/s41598-026-44946-y.
関連サービス
* InTraSeqTMは、Cell Signaling Technology, Incの商標または登録商標です。
* MultiPro®は、Proteintech Genomics社の登録商標です。
* Chromiumシステム、シングルセル遺伝子発現Flexは、10x Genomics社の商標または登録商標です。
