腎臓組織における各領域の分類と特徴的に発現する遺伝子の検出
マウス腎臓組織切片より取得したスポット(8um四方)ごとの高解像度な空間トランスクリプトームデータ(Visium HDデータ*2)を用いて、各スポットを発現プロファイルの類似度に基づいて分類し、各クラスタで特徴的に発現する遺伝子を検出しました。
HE染色像とスポットごとに取得した発現情報との比較
HE染色像とスポットごとに取得した発現情報との比較
マウス腎臓組織は組織学的に、Cortex(皮質)、Outer medulla(外髄質)、Inner medulla(内髄質)の3つの領域で構成されていることが知られています(左図)。スポットごとに発現情報を取得した組織切片上で、各領域での発現が知られている遺伝子の発現分布を表示しました(右図)。
スポットのクラスタリング結果と各スポットに特徴的な遺伝子発現
スポットのクラスタリング結果と各スポットに特徴的な遺伝子発現
各スポットの遺伝子発現プロファイルを基に各スポットをクラスタリングし、その結果をUMAPにより二次元上にプロットしました(左図)。1つの点が1つのスポットを示します。各クラスタに特徴的な遺伝子の発現量と発現割合をドットプロットで図示しました(右図)。縦軸は遺伝子、横軸は各クラスタに対応しています。発現量をドットの色の濃淡で、発現しているスポットの割合をドットの大きさで示しました。
各クラスタの発現変動遺伝子(Heatmap)
各クラスタの発現変動遺伝子(Heatmap)
各クラスタで特徴的な遺伝子をヒートマップを用いて可視化しました。縦軸は遺伝子、横軸は各クラスタに対応しています。各クラスタ内には、そのクラスタに属するスポット1つひとつが表されています。発現量が多い遺伝子は赤色、少ないものは青色で示しました。
各スポットの組織切片像へのマッピング結果
各スポットの組織切片像へのマッピング結果
各スポットをクラスタリング結果に基づいて色分けし、位置情報に従って組織切片像に割り当てました。
各クラスタの組織切片像へのマッピング(クラスタ毎)
各クラスタの組織切片像へのマッピング(クラスタ毎)
各クラスタを組織切片像に割り当てた結果を、クラスタ毎に表示しました。発現プロファイルやその他の解析結果を基に、各クラスタに属するスポットで主要な細胞タイプを推定しました。推定した細胞タイプは、組織学的に知られている領域と類似した分布を示していました。
各クラスタに特徴的な遺伝子の発現分布
各クラスタに特徴的な遺伝子の発現分布
各クラスタに特徴的な遺伝子の発現量を、ヒートマップで表示しました。発現量が高いスポットほど赤色で表示しました。
各クラスタに特徴的な遺伝子の発現分布(Violin plot)
各クラスタに特徴的な遺伝子の発現分布(Violin plot)
各クラスタに特徴的な遺伝子の発現量をバイオリンプロットで表示しました。縦軸は各遺伝子の発現量、横軸はクラスタ、バイオリン型の幅は密度分布(プロットされたスポットの密度)を示しています。このようにVisium HDで取得した高解像度で網羅的な発現情報に基づくスポットの分類結果は、組織学的な特徴を反映し、かつ各領域に特徴的に発現する遺伝子を同定することが可能です。
