遺伝子ノックアウトにより異常を生じる少数細胞の発現変動遺伝子抽出

遺伝子Xのノックアウトによって異常が見られる部位になる領域を、野生型(WT)およびノックアウト(KO)マウス胚より取り出しSingle cell RNA sequenceを行ったデータを解析しました。細胞亜集団の検出、細胞タイプ推定、WTとKOにおける発現変動遺伝子(DEG)の抽出を行いました。

細胞のクラスタリング結果(4,088 cells, 2群、n=1, t-SNE)

細胞のクラスタリング結果(4,088 cells, 2群、n=1, t-SNE)

各種遺伝子発現量等のバイアス補正後、実験間誤差(Batch effect)を排除しながら発現プロファイルの次元削減を行い、クラスタリング結果をt-SNE*5により可視化しました。左図はWT、KO毎に、右図はクラスタ毎に図示しました。

各クラスタの細胞タイプ推定結果

各クラスタの細胞タイプ推定結果

発現変動遺伝子、マーカー遺伝子、GO解析等の機能解析結果より総合的に判断し、各クラスタの細胞タイプを推定し図示しました。Cell type AがKOマウスの表現型の異常に関与すると推定された細胞タイプです。

野生型とノックアウトにおける発現変動遺伝子の発現分布の一例

野生型とノックアウトにおける発現変動遺伝子の発現分布の一例

WTとKOにおいて、発現変動した遺伝子の一部を図示しました。ほとんどの細胞タイプで大きな変化は見られませんが、Cell type Aでは、複数の遺伝子に顕著な発現変動が確認できました。これらの発現変動遺伝子の一部はKOマウスの表現型に深く関わっている可能性が考えられます。この様にscRNA-seq解析では、細胞集団のわずか数%の細胞でしか起こっていない変化を鋭敏に検出することが可能です。