マウス嗅球構成細胞の同定と嗅覚受容体RNA分子および糸球体の組織内局在

マウス嗅球組織切片の1細胞空間トランスクリプトームデータ(MERSCOPE*3データ、1細胞ごとの発現情報と位置情報)を用いて、組織内の各細胞タイプを推定し、遺伝子の発現分布を1細胞およびRNA1分子ごとに空間上に可視化しました。

細胞のクラスタリング結果 (27,894 cells, UMAP)

細胞のクラスタリング結果 (27,894 cells, UMAP)

細胞のクラスタリング結果 (27,894 cells, UMAP)

各細胞の発現プロファイルを基に細胞をクラスタリングし、その結果をUMAPにより二次元上にプロットしました。発現情報に基づいて細胞を分類することで、組織内にどのような特徴をもった細胞が存在するかを明らかにできます。

各細胞の組織切片像へのマッピング結果

各細胞の組織切片像へのマッピング結果

各細胞の組織切片像へのマッピング結果

クラスタリング結果に基づいて細胞を色分けし組織切片画像(空間座標)にプロットすることで、組織中の各細胞タイプの局在を可視化しました。

各遺伝子の発現分布

各遺伝子の発現分布

クラスタリング結果上での発現分布
組織切片上での発現分布
各遺伝子の発現分布

特徴的な遺伝子の発現分布を、クラスタリング結果上(左図)または組織切片上(右図)に図示しました。左図では、着目する遺伝子が特徴的に発現するクラスタ(細胞タイプ)を視覚的に確認できます。一方、右図では、着目する遺伝子が発現している細胞の組織内局在を確認することが可能です。

各RNA分子の組織切片上での発現分布

各RNA分子の組織切片上での発現分布

各RNA分子の組織切片上での発現分布 各RNA分子の組織切片上での発現分布

各遺伝子の発現量と発現位置を、RNA1分子レベルで組織切片画像(空間座標)にプロットしました。マウス嗅球における各細胞層のマーカー遺伝子をRNA1分子レベルで可視化し、さらに嗅覚受容体(Olfactory receptor)のRNA分子を黒点で表示しました。マウス嗅覚受容体遺伝子には約1,000種類ほどがありますが、同じ種類の嗅覚ニューロン(Olfactory sensory neuron)には、その内の1種類の嗅覚受容体が特異的に発現します。また、同じ種類の嗅覚ニューロンは、同一の糸球体に集束します。そのため、組織内において1分子単位で嗅覚受容体RNAの発現位置を明らかにし、同じ嗅覚受容体分子が局在する領域を特定することにより、糸球体の存在する位置が推定できます。