エナメル芽細胞分化に伴って発現が変化する遺伝子群の抽出

解析例7でRNA velocity解析により細胞状態が変化する方向が明らかになりました。さらに擬似時間解析(pseudotime解析)により、状態変化に伴って発現が変化する遺伝子群を網羅的に抽出しました。

3次元プロット上での分化経路推定(trajectory analysis)結果

3次元プロット上での分化経路推定(trajectory analysis)結果

マウス切歯基部由来の上皮細胞をクラスタリングし、経路推定(軌道解析)を行いました。推定された経路を実線(黒)で表示しました。
3次元プロットはこちらからご覧頂けます。※プロットはドラックして回転、マウスのホイールで拡大、縮小が可能です。読み込みに時間が掛かる場合があります。

解析対象経路と擬似時間表示

cluster pseudotime

解析対象経路と擬似時間表示

cluster pseudotime

クラスタ4はエナメル芽細胞の前駆細胞、クラスタ22の先端部が分化が進んだエナメル芽細胞と推定されました。クラスタ4から22に至る、4、9、22の分化経路を解析対象としました。クラスタ4を始点として擬似時間を色分け表示しました(右図)。

解析対象クラスタに特徴的な遺伝子群の抽出

解析対象クラスタに特徴的な遺伝子群の抽出

各クラスタに特徴的な遺伝子の発現量をヒートマップで可視化しました。各遺伝子は、発現プロファイルの類似度により、モジュール(遺伝子群)化しました。縦軸は遺伝子群、横軸はクラスタに対応しています。分化経路のクラスタ(4、9、22)を赤枠、最終分化したエナメル芽細胞で発現が増加するモジュールを青枠で示しました。

分化経路に沿って発現上昇した遺伝子の抽出(時系列解析)

分化経路に沿って発現上昇した遺伝子の抽出(時系列解析)

分化の最終段階で発現が上昇した遺伝子モジュールには、分化したエナメル芽細胞で発現することが知られているAmelogenin (Amelx)、Enamelin (Enam)などが含まれていました。グラフの各点は細胞を示しており、解析対象クラスタに含まれる細胞のみを表しています。

分化経路に沿って発現上昇した遺伝子の発現分布と変化

分化経路に沿って発現上昇した遺伝子の発現分布と変化

エナメル芽細胞のマーカーであるAmelogenin と、今回の解析で抽出したClusterin (Clu)遺伝子の発現を二次元プロット上で可視化しました。