末梢血単核細胞のクラスタリングと特徴的に発現する遺伝子の抽出
ヒト末梢血単核細胞(PBMC)のシングルセルRNA-seqデータより、細胞亜集団の検出、各亜集団で特徴的に発現する遺伝子の抽出を行いました。
細胞のクラスタリング結果 (8,381 cells, 1群、n=1, UMAP)
細胞のクラスタリング結果 (8,381 cells, 1群、n=1, UMAP)
1. 1,354 cells
2. 972 cells
3. 954 cells
4. 809 cells
5. 761 cells
6. 421 cells
7. 368 cells
8. 340 cells
9. 221 cells
10. 218 cells
11. 67 cells
12. 62 cells
13. 20 cells
高次元のデータである各細胞の網羅的な発現情報(発現プロファイル)を、PCA(主成分分析)により情報のロスを極力抑えつつ低次元に変換しました。発現プロファイルの類似度に基づいて細胞をクラスタリングし、その結果をUMAP*4により二次元上にプロットしました。1つの点が1個の細胞を示します。各点には細胞の発現プロファイルが紐づいており、発現が類似しているほど各点は基本的には近くに配置されます。UMAP1とUMAP2(x軸とy軸)の目盛は相対的な位置を示しますが、シングルセル解析においては、個々の目盛よりも結果全体を俯瞰して理解することが重要です。
| 0. | 1,814 cells | 1. | 1,354 cells | 2. | 972 cells |
| 3. | 954 cells | 4. | 809 cells | 5. | 761 cells |
| 6. | 421 cells | 7. | 368 cells | 8. | 340 cells |
| 9. | 221 cells | 10. | 218 cells | 11. | 67 cells |
| 12. | 62 cells | 13. | 20 cells |
高次元のデータである各細胞の網羅的な発現情報(発現プロファイル)を、PCA(主成分分析)により情報のロスを極力抑えつつ低次元に変換しました。発現プロファイルの類似度に基づいて細胞をクラスタリングし、その結果をUMAP*4により二次元上にプロットしました。1つの点が1個の細胞を示します。各点には細胞の発現プロファイルが紐づいており、発現が類似しているほど各点は基本的には近くに配置されます。UMAP1とUMAP2(x軸とy軸)の目盛は相対的な位置を示しますが、シングルセル解析においては、個々の目盛よりも結果全体を俯瞰して理解することが重要です。
各クラスタの発現変動遺伝子(Heatmap)
各クラスタの発現変動遺伝子(Heatmap)
該当クラスタとその他残りのクラスタの2群間で発現比較解析を行い、統計的に有意に発現変化する遺伝子を発現変動遺伝子 (DEG: Differentially expressed genes) として抽出しました。各クラスタで特徴的に発現するそれらの遺伝子をヒートマップを用いて可視化しました。縦軸は遺伝子に、横軸は各クラスタに対応しています。各クラスタ内には、そのクラスタに属する細胞1つひとつが表されています。発現量が多い遺伝子は赤色、少ないものは青色で示しました。
各クラスタの発現変動遺伝子抽出結果の一例
各クラスタの発現変動遺伝子抽出結果の一例
| cluster | gene symbol |
avg.exp cluster |
avg.exp remaining |
log FC | p value | adjusted p value |
positive in cluster |
positive in remaining |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 0 | CD14 | 6.037 | 0.178 | 1.788 | 0 | 0 | 0.830 | 0.066 |
| 1 | CCR7 | 2.976 | 0.772 | 0.808 | 8.58E-234 | 1.57E-229 | 0.651 | 0.224 |
| 2 | IL7R | 7.074 | 2.168 | 0.936 | 8.86E-208 | 1.62E-203 | 0.829 | 0.384 |
| 3 | CD8A | 3.308 | 0.546 | 1.025 | 0 | 0 | 0.747 | 0.124 |
| 4 | CD79A | 17.334 | 1.004 | 2.214 | 0 | 0 | 0.989 | 0.146 |
| 5 | CCL5 | 38.231 | 3.586 | 2.147 | 0 | 0 | 0.954 | 0.278 |
| 6 | IGKC | 75.036 | 8.003 | 2.134 | 1.21E-199 | 2.23E-195 | 0.798 | 0.352 |
| 7 | GZMA | 10.220 | 1.919 | 1.347 | 1.04E-224 | 1.90E-220 | 0.970 | 0.207 |
| 8 | GNLY | 80.282 | 1.961 | 3.312 | 0 | 0 | 0.959 | 0.198 |
| 9 | HLA-DQA1 | 27.911 | 2.616 | 2.079 | 7.01E-276 | 1.29E-271 | 1.000 | 0.386 |
| 10 | FCGR3A | 15.407 | 0.488 | 2.400 | 3.33E-282 | 6.11E-278 | 0.986 | 0.090 |
| 11 | IRF7 | 16.354 | 0.350 | 2.554 | 5.36E-238 | 9.83E-234 | 1.000 | 0.138 |
| 12 | PPBP | 50.743 | 0.049 | 3.898 | 2.89E-119 | 5.29E-115 | 0.919 | 0.018 |
| 13 | ITGA2B | 0.532 | 0.029 | 0.398 | 9.89E-10 | 1.81E-05 | 0.300 | 0.006 |
| cluster | : | クラスタ番号 |
| gene symbol | : | 遺伝子名略号 |
| avg.exp cluster | : | 該当クラスタのすべての細胞における各遺伝子の平均発現量 |
| avg.exp remaining | : | 該当クラスタ以外のすべての細胞における各遺伝子の平均発現量 |
| log FC | : | 発現変動比 |
| p value | : | 有意確率 |
| adjusted p value | : | 補正した有意確率 |
| positive in cluster | : | 該当クラスタ内で発現している細胞の割合 |
| positive in remaining | : | 該当クラスタ以外のすべての細胞の内、発現している細胞の割合 |
各クラスタに特徴的に発現する遺伝子の一部を列挙しました。このようにシングルセルRNA-seq解析では、細胞集団の組成に関する事前情報を用いることなく、クラスタリングし特徴的な遺伝子の発現変化を抽出する事ができます。
各遺伝子の発現分布
各遺伝子の発現分布
特徴的な遺伝子の発現分布を図示しました。クラスタに特徴的な遺伝子、複数のクラスタで高発現している遺伝子を視覚的に確認できます。このような発現プロファイルやその他の解析結果をもとに、各クラスタの細胞タイプを推定しました。
各クラスタにおける遺伝子の発現レベル(Violin plot)
各クラスタにおける遺伝子の発現レベル(Violin plot)
特徴的な遺伝子の発現量をバイオリンプロットで図示しました。縦軸は遺伝子発現量、横軸は細胞クラスタ、バイオリン型の幅は密度分布(プロットされた細胞の密度)を示しています。図中にプロットされた各点は個々の細胞を表しており、各クラスタの細胞ごとの遺伝子発現量を一覧できます。
