ご相談対応事例 | 空間トランスクリプトーム解析
事例1:問題のあるデータの解析デザイン再構成により、医学的研究課題達成をサポート
お客様の課題
遺伝子Aがコードする因子により動員される細胞Bが関与する疾患を研究しています。病変組織切片の空間トランスクリプトーム(Visium HD)データを取得し1次解析まで他機関で行ったが、以下の内容で困っているため相談したい。
- 【 課題 】
- ① 細胞Bの局在が全く特定できない
- ② 遺伝子Aを発現する細胞Aがどのような細胞なのか分からない
ジエンブルの対応プロセス
1.研究目的とご要望のヒアリング(事前打ち合わせの実施)
ご要望の詳細を確認するため、守秘義務厳守の下、専用フォームへのご記入、参考文献および1次解析結果のご提供を依頼しました。ご提供資料を精査した結果、高度で多岐に渡る生物学的課題の全てを解決するのが困難な実験デザインであったこと、取得済みデータの問題から実施可能な解析自体が限られていたことから、実施する解析内容を再検討するため、1時間のWEBミーティングを実施しました。
WEBミーティングでは、研究の医学的背景情報の詳細と、明らかにしたい生物学的課題の研究における位置付けと重要度をお伺いしました。取得済みのデータで実施可能と思われる解析の中から、研究目的において重要と考えられたデータ解析を厳選してご案内し、解析の詳細をご説明しました。ミーティング終了後、取得済みの全データの送付をお願いしました。
2.取得済み発現データに関する確認結果のご報告と解析方針のご提案
ご要望の達成可能性を検討するため、お送り頂いた全データを確認し、確認結果と解析方針をご提案しました。
- 【 確認結果 】
- ・組織切片自体の品質不良に起因する結果
- ・本来であればウェット実験を再度実施し、発現データの再取得を推奨
- ・前処理や解析方法を工夫することで、重要な研究目的は達成できる見込みあり
- 【 解析方針 】
- ・取得済みのデータを考慮し、達成見込みのある重要な研究目的に限定して解析を実施
- ・選択した研究目的の達成に必要な検体のみを使用
3.解析結果説明、結果解釈のサポートおよび今後の解析方針のご提案(最終報告の実施)
WEBミーティングを実施し、以下のご報告とサポートを実施しました。
- 【 解析結果および解釈サポート 】
- ・細胞Aの細胞タイプを同定
- ・細胞Aに特徴的に発現する遺伝子群を検出
- ・細胞Aは類似疾患に存在する特定状態の細胞に特徴的な遺伝子群を発現
- ・細胞Bの局在を別の方法で特定
- ・細胞Aと細胞Bは空間的に近接
- 【 今後の解析方針と次回解析時の注意点 】
- ・信頼性を担保できないため、発現比較解析は非推奨
- ・解析結果を外部発表する際には、別種の検証実験の実施を推奨
- ・高次解析を必要とする研究目的は、実験デザイン検討および検体取得から再実施を推奨
- ・今回の解析結果を踏まえて、組織切片作成時の注意点についてご案内
成果
一般的には解析困難な品質のデータに対して、お客様の高度で複雑なご要望を要素に分解し、研究上の文脈および優先順位を考慮した上で、最大限に生物学的解釈を可能にする解析をご案内できました。適切な条件で前処理と解析を実施した結果、生物学的解釈可能なデータを抽出し、お客様のご要望の特に重要な部分については一定の示唆を得ることが出来ました。
お客様からのフィードバック
研究の背景と医学的・生物学的な目的を説明することで、必要なデータ解析の内容、その解析の研究における重要度、位置付け、実施可能性、解析結果の外部発表使用時の注意点など詳細な説明が得られ、実施すべき解析を決定する助けになった点について高くご評価頂きました。また、そもそも実験デザインが適切でない部分があったこと、切片作成の条件が適切でなかったこと、取得したデータの品質に問題があったこと、予算面でも大きな差がなかったことなどから、実験計画当初からジエンブルに相談すれば良かったとのご感想を頂きました。
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研究目的、由来組織、検体数、発現比較情報、希望納期
